2018年|新年号春号夏号秋号


What's new

我々は、今どんな時代に生きている?
今は普通ではいけない時代になりつつある。


この間までの世間の関心は、米朝首脳会談がどうなる?
そして今は国内では、西日本の豪雨により200人以上の方が亡くなられた。そして連日35℃を超す猛暑の日々である。
 
例年であれば、梅雨があけた頃なのに、最近はすべてが昔と違う気がする。雨の降り方、台風の強さ、暑さ、何と言っても私の住んでいる所沢市でも「マンゴー」が栽培されているとの記事を見た。
 
今や変わったのは自然現象だけでなく、結婚観や夫婦のあり方、人々の生き方や働き方、すべてが違って来た気がする。
 
我々の若い時は、普通にまじめにやっていれば普通に暮らしていける、家の購入でも、東京都心部は無理でも、東京都下や近県では買える時代だった。
生活もまあまあ友人達と同じ、すなわち中流がほとんどであった。
 
今の時代に目を移すと、一言で言えば世界は「グローバル競争の時代」だ。今の米中の貿易戦争は、関税や貿易不均衡の問題だけでなく、その根底には2つの大きな競争が見える。
(1)世界で覇権をどちらが握る?
(2)自由主義の米国に対し国家資本主義の中国、どちらが良いかの競争とも考えられる。

今の米国の20代、30代の若者の多くは、自分の父親の様な豊かなホワイトカラーの生活は、おくれないと感じ取っている。結婚して家庭を持ち、家を購入する以前に、奨学金の返済に困っている若者は社会問題になるくらいいる。
 
日本も今や、奨学金を借りて大学に行くことは普通になって来ている。先々、米国と同様な問題は発生する。
 
その原因は何?と考えれば、グローバル競争の中で生きていくための各企業が、世界だけでなく国内で生き残っていくための「効率優先の働き方」「雇い方」「給与体系」だ。
1989年(平成元年)の日本の労働人口は4,800万人で、その内正社員は約3,800万人で、非正規は約1,000万人弱だ。
現在の労働人口は5,400万人と600万人も増えている。
この要因の1つは、女性の社会進出だ。厚生省の発表の「国民生活基礎調査2017」によれば、18歳未満の子供がいる世帯の71%がお母さんが働いている。その内正社員(25%)、非正規(37%)、自営(9%)の内訳です。現在の5,400万人の労働人口の内、正社員は3,400万人、非正規は約2,000万人との状況である。

正社員はより一層、効率的なレベルの高い働き方を求められており、専門性を持ち、成果を求められています。
現在「うつ病」増加は、仕事よりのストレスが多くの原因と考えられております。
アルバイトであっても、コンビニ店を見ればわかる様に、「弁当の温め」「レジでの公共料金の支払」「あげ物の作業」すべて出来る様システムがくまれ、今後は「無人」レジスーパーの話題まで出て来ている現状です。

先日の日本経済新聞の記事によれば、三菱UFJ国際投信は、人口知能(AI)が運用内容・銘柄選別をする、全てAIに任せる投信が、今年8月より日本で初となる販売をする旨で出ておりました。
AIは、今や囲碁・将棋などはプロより強くなってしまった。車の自動運転も徐々に普及して行くと考えます。それどころか会社の経理事務の一部や人事採用事務、銀行の融資審査、病院のレントゲンやCTの画像診断等々、次々と専門部署の仕事まで人工知能が入って行き、人々の仕事は俗に言う「ホワイトカラー」の仕事は少なくなって行きます。

これから求められる社員像は、国際化の中で、英語や相手先の言葉が出来、ITを使いこなし、コミュニケーション能力やリーダーシップの力が強い、やる気あふれるスーパー人間だと考えます。

高い給料をもらえるのは、これらのスーパー社員であり、全体の20%と考えます。それ以外の80%の社員は、安い給料で働くしかなく、社員間でかなり格差のある未来社会を予想します。
この様な社会は、遠い先の事ではなく、今から17年後の2035年頃には、そんな社会になっていると私は考えます。

格差が拡大し、より激しい能力競争社会。アメリカの若者のデモは、その様な未来に対する漠然とした不安からくる時代の風を反映した動きであり、日本でも若者夫婦が離島や山村に移住して、静かな時間の流れる生き方を模索する動きが出て来ております。この根底には「生きて行くとは何なの?」「自分らしい生き方とは何?」との答えを探している動きに他なりません。

我々業界の中で大手不動産業者では、人工知能を取り入れた物件査定システムを導入する動きがございます。
入社1〜2年の社員にも、これらを使って5〜10年の社員と同じ様な仕事をさせようと言う考えです。

しかし、我々不動産業界の管理業務は、いくらITが進んでも、最後は顔の見える対応、より相手の困り事によりそった対応、より事務的でないスピーディーな対応、すなわちサービスが求められてくると考えます。

時代の風には人間はどうする事もできません。
そんな時代になった時、私は心の平安を保ち、濃い緑と青い空と白い雲をじっと静かに眺め、確固とした自分を保っていたいと願っています。

2018年(平成30年) 7月21日
(有)花鳥<不動産>  代表取締役  齊藤 忠男
 

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