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コロナは収束せず徐々に不動産市況に影響拡大していく

9月23日の新聞によると、新型コロナウイルスの感染者は、世界で累計感染者は3,142万人、死者は96万6千人。最大の感染国の米国は693万人、死者数20万1,900人。
いまだに世界で感染者は拡大中であり、収束の兆しはまだ見えずと言った所です。

日本では79,000人ほどが感染し、死者数は1536人です。
東京都でも一日約平均150人〜200人の感染者が出ております。
我々の住んでいる埼玉県も累計4,500人ほど感染者が出て、所沢市は355人の感染者数になっております。

【今、都内不動産はどんな状況?】
先日も、鉄筋コンクリート造の3〜4階建の小型一棟売物件を建築している、古くからの知り合いの現場監督と話をしましたが、一棟売の新築物件の動きは悪くなって来ている旨の話でした。
一棟売購入者もコロナの先行きが見えず、社会のあり方、仕事の仕方、会社と個人の関係の変化など、先が読みにくい状態であり、銀行の融資も空室率を計算して、どう?など慎重に計算しての融資が中心になり、当然、自己資金もそれなりに用意している富裕層の相続対策のお客様が中心になってきております。

【賃貸市況について】
今年の2月〜3月はコロナのため転勤も中止になったりしておりましたが、9月に入り、春の転勤分の動きがここの所出て来ております。
又、結婚を前提の若い二人の住まい探しも多くなって来ております。
単身用のワンルームは一般論として需給がくずれてくると実感しております。
エレベーター付きの20戸以上の建物で最新の設備、たとえば1室25u、バストイレ別、浴室乾燥機、宅配ロッカーもある様な鉄筋コンクリート造の建物は、賃料9〜10万円、管理費5千〜1万で、月々の合計賃料が10万前後のワンルームは、各社募集に苦戦している状況で、「礼金なし」はあたりまえとして、フリーレント1ヶ月〜2ヶ月つける所も出て来ています。
苦戦の理由は、会社員の若者は通常、自分の給料で家賃を支払って行くわけですが、今はコロナの関係で、ほとんど月4〜5万あった残業代もなくなって来ており、将来不安もあり10万前後の家賃は荷が重くなって来ております。
そんな中で次々とワンルームマンションが完成して、需給がくずれている状況です。
むしろその様な中で、新婚様や結婚前提のカップル向けの1LDK(40u〜45u)はかなり強い動きで、築浅や新築は14万〜15万の物件が人気化しており、ワンルームとは違う動きの状況です。

【戸建て・マンションの動き?】
東京カンテイの発表によりますと、8月の都心6区(千代田・中央・港・新宿・渋谷・文京)の70u換算の中古マンションの売出価格は、8,506万円で前月比1.1%高。東京23区全体でも前月比0.8%高の5,768万円。
新型コロナウイルスの影響などから流通物件数が少なくなる一方、都心では親からの資金援助も含めて、それなりの企業に勤務の夫婦で、超低金利の中、良い中古物件があれば購入しようとの考えの方が、それなりに存在する状況と考えます。
この様な中で、優良な中古マンションがコロナの中でも価格下落もおきずにいる最大の理由は、2020年(1月〜6月)の首都圏の新築マンション発売戸数は、前年比44%マイナスの7,497戸しか発売されてないのも大きな要因になっております。

新築戸建も人気が戻って来ている様で、理由の1つはコロナの状況下で、リモートワークのためマンションよりも延床面積の広い(1部屋が大きい)戸建の人気が出てきている様です。

【貸ビル・貸店舗市況はどう?】
店舗の状況はたいへん厳しいものがございます。
ここ池袋では、9月19日よりの4連休の前までは、近くの専門学校もネットの授業中心で、学校に来なくても良い状況が続いております。
夜だけの営業店舗もランチ営業したり、宅配に力を入れたり、涙ぐましい努力を続けております。
それでもままならず、一部の地下店舗などは、営業中止して店舗の解約に進んでいる所が池袋でもチラホラ目について来ました。
又、一定の期間の賃料の減額の要求も現実にございます。

事務所の方は、店舗同様に厳しい状況です。
(1)富士通は、社員8万人を基本的にテレワークへ→オフィース削減へ
(2)キリンHDは、原則在宅勤務へ→出社人数を30%以下へ

これらの流れは大企業中心におこっており、「オフィース需要の減少」が徐々に今後この動きを加速していくと考えます。
コロナ前は都心大型ビルの空室率は1%台でしたが、今や3%台に上昇しており、IT関係企業が集まっている渋谷区は4.3%になっております。
それだけでなく、都内港区・千代田区を中心に大型開発ビル案件が280件あり、それらが2023年〜2025年に完成してくると、ビルの空室率の問題は今後大きな不動産問題に発展の可能性があると考えます。

【時間の経過と共に不動産市況がかわってくる】
新首相の菅氏は、地方活性化に力を入れております。
政府は2021年度予算の概算要求に「地方創生推進交付金」として1,000億円計上しています。
その中には、東京で仕事を続けつつ地方に移住した人に、最大100万円を交付するとの目玉政策もあります。

東京一極集中から、本気で地方分散へ。
働き方は、リモートワークも徐々に多くなる。
副業も企業が認める。
会社へ就職から、職務を前提にしたジョブ型雇用へ。
コロナ後は社会のあり方、人間の生き方、仕事に対する考え方、延いては不動産に対する考え方の変化、等々進んでいくと考えます。

大きな変化の時、相談事があればお声がけ下さいます様お願いいたします。


2020年(令和2年)9月26日
(有)花鳥<不動産>  代表取締役  齊藤 忠男
 

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