2021年|新年号春号夏号秋号


What's new

コロナでも都心不動産はほとんど下がらず
会社の働き方の変化で、住む場所も変化の芽あり

【今春の賃貸市況】
当社管理のアパート・マンションは、今年1月より3月初旬までに退出した物件は、3月末までにすべて決まりました。

@今年のトップシーズンの特徴として、大学生など上京してお部屋を探す動きがほとんどなく、弱い状況でした。
やはりパソコンを使った授業なら、地方の自宅からでも受けられる。大学の対面の授業が始まったら、その流れの中で上京して探そうとの考えの方が多数と考えます。

A大学も、リモート授業でも授業料が安くなるでもなく、今年はリモート中心の大学は受験にも敬遠される流れにあり、「学生の安全」だけ言っていれば、その大学は学生にはじかれる動きが強まっており、大学側も今年は何としても安全は確保しつつも、対面授業の可能性を進めると言う動きです。
したがって5月以降にお部屋を探しに来る方が増加すると考えます。

B今年の主流は、地方より上京して都内の会社に就職する新卒の方が、お部屋の借主の中心でした。

【コロナで不動産は下がった?】
国土交通省が3月23日発表の、今年1月1日時点の公示地価の発表によりますと、東京・名古屋・大阪の三大都市圏では、8年ぶりに下落した。

下落の中心は商業地→それも、海外の観光客が集まる場所の下落が目を引いた
 ・大阪市道頓堀1丁目→28%下落(公示地価:坪1914万円)
 ・東京都銀座4丁目→12.8%下落(公示地価:坪1億7688万円)
 ・名古屋市錦3丁目→15.2%下落(公示地価:坪514万円)

高い家賃は海外観光客に依存しており、それがほとんど消えた状況の中では、空店舗も目立ち、家賃を下げてもテナントが見つからない状況は現在も継続中であり、この状況はまだまだ続くと予想されます。

【都心のマンション・戸建は引き続き堅調】

東京23区の1月の中古マンション70u換算は、6041万円と7ヶ月連続の上昇でした。(東京カンテイ発表)
新築マンションは7千万〜8千万。と言っても今の市場の感覚はそんなものだろう〜、との空気です。
ちょっと広くて良い立地の新築ですと1億以上となっており、今頃は1億ぐらい出さないとたいしたマンションは買えないとの率直な感じが都内の市況です。

【では日本全体では、不動産の価格はどうなっているの?】
少し古い資料ですが、国土交通省「2018年度住宅市場調査」によりますと、全国平均では
 ・新築分譲住宅価格→3075万円(平均月返済額10万円)
 ・新築分譲マンション価格→3017万円(平均月返済額11万円)
 ・土地のある方の新築注文住宅価格→2700万円(平均月返済額10万円)
 ・中古戸建住宅価格→1788万円(平均月返済額10万円)
 ・中古マンション価格→1629万円(平均月返済額9万円)
 ・借家家賃平均→55,695円(専用住宅月家賃)
 ・2018年度日本の世帯平均年収 552万円(月46万円)

以上を見ますと東京都を中心の高価格は、日本全体の平均からはかなりかけ離れたものであり、本来住宅を求める方の希望価格は3千万〜4千万までであり、月々の返済額も10万円ぐらいとは何かシックリする感じです。
すなわち東京の不動産は、都心のデパートに入っているブランドのバッグや洋服や時計の様なもので、大半の方はそれらを眺めても購入はしないし出来ないと思います。
購入するのはブランド物ではない、それなりの品質のものをバーゲンセール期間中に行って購入する、そして大事に使う、これが一般の方の生きて行く知恵と考えます。

【コロナの中での若者の新潮流】
今の若者は一般的に冷静で、熱血タイプの方は少ないと思います。
自分の興味の事にはかなり注力。自分の限界も世の中の役割も十分にわかっており、背伸びはしない。
したがって都内の不動産の高値には、ついて来ている方は全体から見たら一部です。
夫婦の両方が一流上場企業勤務、又は公務員系。親もそれなりに住宅資金の一部援助をする。この様な方が都内の不動産を購入しております。

今回のコロナで在宅勤務や週1〜2回の出社など大きく流れが変わりました。
だったら自然環境が良い、山の方や海の近くに安い不動産は無い?との動きが出ております。

千葉の南房総市や、奥多摩(東京都)方面で、土地100坪古屋付500万〜1000万を購入リフォームして、無理のない生活をする。週末は近くの自然あふれる環境の中で家族と楽しくすごす。

より実践的な動きとしては、東京八王子や埼玉県飯能市などは都心にアクセスよく、新築戸建も2000万〜3000万。中古にいたっては土地50〜60坪、建物付で1500万前後。
すぐ車で行けば都心と変わらぬ商業施設もあり、週2〜3回の出勤だったら何とかなる場所が人気になっており、戸建分譲業者は売れ残っていた在庫も売れてしまい、コロナで不動産業者は青息吐息と思いきや、業績最高の状況です。全国で4万5千棟年販売の上場会社飯田ホールディングスは、値引販売も減りコロナの中で前期より営業利益を増やし、株価も最高値圏で推移しております。

現代の若者は背伸びせず、その中で自分の可能性とワークライフバランスを取ろうとしている様に見えます。

我々は仕事に追われ、また追い、ただただ全力でやってきた年代です。
人生は一度しかないわけですし、自分が納得できる生き方をするべきと考えます。
今春も新社会人になる方に賃貸契約に来ていただいた折、色々話をしますが、全体として日本人はそれほど変わっていないと思います。
ただ一部の者が、新聞やTVなど見ても、「困った者だ!!」と言う人がいるのも事実です。又、自己中心的、協調性のない方も目につきます。

本来、日本人は「忍耐強く、バランス感覚がある」国民と考えます。いつの時代も「変化」はしております。日本人として良い面は失わず、コロナの中でもしっかり前進して行ければと願っております。


2021年 4月3日
(有)花鳥<不動産>  代表取締役  齊藤 忠男
 

2021年|新年号春号夏号秋号


(有)花鳥不動産